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PCMの選び方

温度で選択

1.-15℃以下

  • ドライアイス
  • -25℃以下の融点を持つ保冷剤

ドライアイスは、二酸化炭素を固体化させたもので、-79℃になると一気に気化しますので、非常にパワフルなPCMです。ただし、航空貨物の場合、積載重量制限があったり、危険貨物扱いになるため、注意が必要です

一方で、-25℃以下の融点を持つ保冷剤は、固体から液体に相変化するパワーしかないので、ドライアイスよりも冷却能力(潜熱)が低くなります。しかし、ドライアイスのように昇華する訳ではないので、繰り返し使用に適しています。ただし、事前凍結させるためには、-40℃以下の冷凍庫が必要になります。

  • ドライアイス
  • -25℃の保冷剤

PCMの詳細は、こちら

2.0℃付近

ボックス内温度をいわゆるチルド帯(0℃付近)にするためには、外気温の影響を考え、-5℃を融点を持つ保冷剤を使用することになります。一般的な保冷剤は融点が0℃ですので、保冷剤の凍結温度は、少し低めに設定して頂く方が確実です。

  • -5℃の保冷剤

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3.5℃(2~8℃)

  • 外気温が常に5℃を上回る場合 ・・・ 0℃タイプの保冷剤
  • 外気温が5℃以下になったり、5℃以上になる場合・・・5℃タイプの蓄熱剤

0℃タイプの保冷剤は、コストパフォーマンスが高く、使用勝手の良いPCMです。しかし、ボックス内に投入する際の初期温度に注意する必要があります。
凍結庫から取出したままの零下状態から使用すると、ボックス内温度は2℃を下回るリスクがあります。また、外気温が5℃付近まで下がる場合にも、同様の低温逸脱リスクがあります。それらのリスクを懸念される場合には、5℃タイプの蓄熱剤の使用をお勧めします。

5℃タイプの蓄熱剤は、その使用原料(パラフィン系)のため、コストが高いPCMになります。外気温が低くなる場合には、このタイプの蓄熱剤を使用せざるを得ませんが、なるべく使用量を減らすために、ボックスの断熱性能を上げておくことをお勧めします。

  • 0℃の保冷剤
  • 5℃の蓄熱剤

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4.10℃以下

ボックス内温度をいわゆる冷蔵温度(10℃付近)にするためには、外気温の影響を考え、0℃の融点を持つ保冷剤を使用することになります。0℃融点の保冷剤は、各種ある保冷剤や蓄熱剤の中でもコストパフォーマンスが高い(吸熱性能が高く、経済的)ので、ボックスの性能をある程度低めに設計しても良いかもしれません。

また、貨物の容積や重量が十分な場合には、保冷剤を使用しなくても、商品自体の熱量で温度維持が可能な場合があります。

  • 0℃の保冷剤

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5.20℃(15~25℃)

ボックス内温度を20℃(15~25℃)にするために使用するPCMは、融点(凝固点)が20℃近辺にあるタイプになります。しかし、使用時の初期温度(固体から使うか、液体から使うか)に注意する必要があります。

  • 外気温が25℃を上回る場合 ・・・ 固体から使用
  • 外気温が15℃を下回る場合 ・・・ 液体から使用
  • 外気温が25℃をまたぐ場合 ・・・ 温熱解析シミュレーションが必要です
  • 20℃の保冷剤

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6.36℃(35~37℃)

ボックス内温度を36℃(35~37℃)にするため温度の幅(上下2℃)が極めて狭いこともあり、高性能な保冷保温ボックスを選択した方が、より安心できます。
使用するPCMは、融点(凝固点)が36℃近辺にあるタイプになります。しかし、使用時の初期温度(固体から使うか、液体から使うか)に注意する必要があります。

  • 外気温が37℃を上回る場合 ・・・ 固体から使用
  • 外気温が35℃を下回る場合 ・・・ 液体から使用
  • 外気温が36℃をまたぐ場合 ・・・ 温熱解析シミュレーションが必要です
  • 36℃の蓄熱剤

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